ばらの花
くるりのベストを借りました。
「図鑑」の頃から好きだったので、
彼らの音楽に初めて触れたのはもうずいぶん前になります。
「TEAM ROCK」「THE WORLD IS MINE」「アンテナ」
そして「NIKKI」と、目まぐるしい音楽性の変化を遂げながらも
着実にシーンを開拓し、進化を続けてきた彼ら。
ベスト盤に並んでいる曲をみても
その多様性にあらためて驚かされます。
「ばらの花」
小刻みなギターのミュート音に 流麗なピアノが重ねられた瞬間
記憶の断片が、ちいさく飛び散る。
空気、匂い、感触。
モノクロだったはずの景色が、色彩を取り戻していく。
ピアノのフェードアウトとともに
僕の意識は現実へと戻る。
記憶は五感とつよく結びついているという。
五感で感じ取った刺激は、いわば記憶の引き出しの秘密の鍵となり、
失われたはずの世界にそっと色をつけてくれる。
「おふくろの味」とか「暗記にはレモンの香り」とかも
似たようなものなんでしょうか。ね。
「ばらの花」は 少し俯いた 肌寒い 11月。