購入したもの

Viva La Vida Or Death & All His Friends

Viva La Vida Or Death & All His Friends

完全に衝動買い。ipodの曲が好きだったわけでもない。
Coldplayが今程までにワールドワイドな商業的成功を収めるとは、
静かな名作「Parachutes」が出た頃には想像できたでしょうか?
この新譜は、しきりにロックアートと紹介されていたけど、
一曲目から通して聴いていると、確かに一枚の絵画のようだ。
かの有名なドラクロワの「民衆を導く自由の女神」が描かれたジャケット等、
斜めに構えて見ると、少々やり過ぎというか、胡散くささも覚えてしまうが、
何か新しい確固たるものを描きたいという彼らの熱は存分に伝わってくる。
1曲の中に2曲の要素があるなど、容易に因数分解できない作品であり、
気に入った音楽だけを手ごろな価格で落とし、持ち運ぶといった、
最近の主流へのアンチテーゼともとれる作品だ。
先にも書いたように作品展開や構造はやや複雑化したが、
彼らの武器の1つである美しい旋律は未だ健在。
平日の殺伐の中ではなく、休日に部屋でリラックスしながら通して味わいたい。
こういったコンセプチュアルな作品には体力や集中力を要求するものもあるが、
10曲約45分というボリュームも、一枚として楽しむには適度な量であり、
驚くべきことに、早送りやスキップボタンを押す気には全くならない。
最後になったが、個人的には彼らの作品の中で最も好きな一枚となった。
生命の鮮やかさ、力強さに満ちあふれた彩り豊かなアート作品である。