東京

Tokyoから帰ってきた。
最終面接だった。
人事の人に、帰りの新幹線では
ビールでも一杯飲んだら?って言われた。
此処に来るまで、何度もお会いしたが
本当にいい人だ。あんな社会人になりたいと思う。
僕は帰り道、
浜松町や品川、そして名古屋を歩いた。
人ごみに混ざって、街をただ歩いた。
新幹線の中で、ずっと夜景を見ていた。
たくさんの光があった。
車内にはたくさんの会社員の方がいた。
多分、
また最後の最後で
光を逃してしまったんだろう。
内定はいただけなかった。
そんな想いと共に、乾いた喉を撫でた。
家に着き、家族に会い、やっとビールの缶を開けた。
炭酸と共に、気が抜けていった。
温もりの中、痛みは明確な輪郭を顕す。
痛みの中にいたら気づかないはずのものにも
気づいてしまう。
また再出発だろうか。
先が見えない。
ハードルは更に上がっていく。
心はどんどん弱っていく。
今日はもう寝よう。
明日の朝、また始まるから。


山手線で聴いたくるりの「東京」を思い出している。
あの瞬間、少しだけ、泣きそうになった。
だけど日本がこんなに狭いってこと。
実感した。何処ででも生きていける
そんな気がした。


大切な光も遠ざかる。
あの夜景のように
記憶の中のものとなる。
それは点となり、線を結び、
心に蓄積されていく。
幸せだった日々も。
モラトリアムの足跡も。
こんな想いも。


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